はじめに
ここ数年コンサル業界の人気に拍車がかかっています。
私が5年以上前に新卒就活をしていた頃は、コンサルといえばマッキンゼーやBCGなどをイメージしており、一部の超優秀な学生しか入れないと思っていました。(私が就活に対して意識が低すぎてコンサル業界のことを全く知らないという理由もありましたが。)
現在(2022年時点)では、コンサルが人気の就職先として広く認知され、多くの学生が志望業界としてコンサルを選択するようになっているようです。
就活生がコンサル業界を志望するようになった理由としては、以下が考えられます。
・コンサルティングファームと言っても、マッキンゼー・BCG・ベインのような戦略ファームだけでなく、アクセンチュアやBig4、その他色々と総合ファームと言われるようなものがあり、超優秀な学生ではなくても、どこかに入れる可能性があることが就活生の中で認知された。
・伝統的な日本企業の終身雇用制が崩壊しているように見えて、経験・スキルを若いうちから身につけたいというニーズが高まっている。また、官僚の労働環境や政治事件による国家公務員の敬遠や銀行業界等の従来の人気業界の没落により相対的にコンサル業界の人気が上昇している。
つまり、「超優秀な学生でなくとも意外とコンサル業界に入れる可能性があることの認知(門戸が広い)」「他業界の人気凋落による相対的なコンサル人気」の2つがコンサル業界を志望する学生が増えた大きな理由だと思っています。
まあ、他にも単純に給与が比較的高いこと、イケているイメージがあることも理由としてあると思いますが。。。
このようにコンサル業界が就活生に人気であることに加えて、コンサルティングファーム特有の入社試験(フェルミ推定・ケース問題等)やコンサル特有の価値観、働き方(ロジカルシンキング・仮説思考・きれいなパワポの作成)のため、コンサルにおすすめの本は世の中に溢れています。
もちろん、自分で必要な本を選んで自己研鑽に励むのが良いのですが、選択肢が多すぎてどの本を読めば良いか分からない!という方のために、本記事ではコンサルタント志望の方向けに5冊、若手コンサルの方向けに5冊の本を絞って紹介します。
コンサルタント志望向けのおすすめの本
『新版コンサル業界大研究(業界大研究シリーズ)』
コンサル業界と言っても、戦略ファームから総合コンサル、シンクタンク系、ベンチャーコンサルまで本当に多くの会社があります。コンサルファームは業務が細分化しており、どのコンサルファームからキャリアをスタートするかによって、その後の自身のキャリアが変わってきます。
まずはこの本でコンサル業界を概観し、どのファームがどの領域を得意としているか理解しておくと良いと思います。
『現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』
戦略ファームで面接のテーマとして挙げられる「フェルミ推定」についての入門書です。「フェルミ推定って何?」という初心者にとって、どのようなアプローチで問題に立ち向かっていけば良いのか指針を示してくれています。
一方で、この本を読んだだけでフェルミ推定ができるようになるかと言ったら、それは違います。あくまでアプローチ方法を解説した本なので、別途自身で問題演習を行い、対策をする必要があります。
『東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』
先に紹介した『地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』のシリーズ本です。フェルミ推定が面接で出されるのは、ほぼ戦略ファームだけと言って良いと思いますが、ケース問題はコンサルファームならどこでも出される可能性があります。
こちらの本もケース問題に対してのアプローチ方法を解説した本なので、別途自身で問題演習を行い、対策をする必要があります。
『コンサル一年目が学ぶこと』
定番の書籍です。よく本屋の目立つ場所に置いてあります。
仕事で活躍するための普遍的なスキル、ロジカルシンキングや仮説思考について広く浅く書かれています。コンサルに限らず、どのような業界の社会人にも役立つスキルを解説しています。
コンサルタントとして働くイメージが持てない就活生、社会人がどんなことを意識して働いているのか分からない就活生にとって一読することをおすすめします。
コンサルタント、社会人が働くうえで大切にしている価値観を知ることができたら、面接で役に立つと思います。
『イシューからはじめよ』
これも定番の書籍です。コンサルティングファームの若手なら、多くの方が読むことを勧められると思います。
先に紹介した『コンサル一年目が学ぶこと』にもロジカルシンキングや仮説思考については触れられていましたが、この書籍ではそれらについて、より深く掘り下げています。
コンサルという職業は目に見えるモノを扱うわけではないので、何をやっているのか分かりづらいですが、1つの答えとして「問題解決をしている」と言うことができます。この問題解決をするために、どのような考え方をするべきか、それを主張しているのが本書です。
若手コンサルタント向けの本かとも思いますが、就活生のうちに読んでおいてコンサルファームの面接で問題解決力をアピールするのに本書のアプローチを使うなどしても良いでしょう。
若手コンサルタント向けのおすすめの本
『ロジカル・シンキング』
2001年出版の書籍ですが、ロングセラーとなっています。本自体はちょっと読みにくいですが、内容は色褪せていないです。
この書籍では、ロジカルシンキングについて体系的に学ぶことができます。フレームワークについての解説が少ないですが、その分ロジカルシンキングの考え方、進め方、目的をしっかりと解説してくれています。
最近は読みやすいロジカルシンキングの本も出版されていますが、あえてこの読みにくいロジカルシンキング本を批判的に読んでみるのも良いかもしれません。
『マッキンゼー流図解の技術』
プレゼンテーションで使用する図表・グラフの作り方を解説した書籍です。
図表・グラフの作り方の過程からは、論理的な思考力をどのように資料にまとめるべきかの参考にもなります。プレゼン資料を作成する際は、「自分が何を主張したいか」を明確にしたうえ図表・グラフを作っていくことの重要性がよく理解できます。
『外資系コンサルのスライド作成術ー図解表現23のテクニック』
先に紹介した『マッキンゼー流図解の技術』よりも実践的にプレゼン資料の作成方法を解説した書籍です。
スライド作成時の成功例と失敗例が対比して示されて説明されており、非常に分かりやすく書かれています。プレゼン資料を作成している時に気づいたら「ごちゃごちゃしている」「何が言いたいか分からなくなっている」資料になってしまう原因についても学ぶことができます。
『脱マウス最速仕事術』
ショートカットについては、インターネットで調べたらすぐに出てきますが、毎回調べるのは非効率です。
この書籍を手元に置いておけば、分からないショートカットがあった時に辞書のように使用することができます。
ショートカットについて体系的に解説されており、今まで業務である程度のショートカットを使いこなしてきた人でも、さらに業務効率化を図れるようなショートカットと出会えるでしょう。
『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』
コンサルタント向けにプロジェクトマネジメントの方法を解説している書籍です。
「チームメンバのモチベーションが低い時は?」「関係者同士のコミュニケーションが上手くいっていない時は?」「クライアント担当者間の利害調整はどうするか?」といったプロジェクトで起こりうる課題に対して、どのようにプロジェクトを進めた方が良いか著者の意見で解説しています。
若手コンサルのうちはプロジェクトマネジメントを裁量ある立場で行う機会は少ないかもしれませんが、上司がどのように考えているかや自分なりの意見をぶつけたいときに参考になると思います。
さいごに
コンサルタント志望向けには、コンサル業界に実際に入社するために参考になりそうな書籍を選び、若手コンサルタント向けには、実際にプロジェクトで役に立つスキルを身に付けられそうな書籍を選びました。
またおすすめの本が入れ替わったら、内容を更新するつもりです。
コンサルタント志望 / 若手コンサルタント の方は是非紹介した本を読んでみてください。